渋谷オフィス・店舗|レトロ戸建 天井高空間
EDIT
>>LOCATION
渋谷駅を背に進み、明治通りとキャットストリートの分岐に差し掛かる辺り。その辺りは近年登場したSHIBUYA CASTのゆったりとした広場と、反対側の宮下公園の緑など、なんとなく開けた気持ち良さがある。そこからキャットストリートに足を踏み入れすぐ、この場所のシンボル的なPINK DORAGONの脇を進めば、この建物を見つけることができる。さっきまでの賑やかさが嘘の様な、これぞ裏通りという感じの場所に、この建物は可愛らしくたっていた。
>>SPACE
建物は極めてコンパクトな印象で、一目で古いことはわかるが、愛らしさ先行の良い古さ。
現在スタジオとして利用中の1階の室内に立ち入れば、いきなり4mをゆうに超える吹き抜けがあり、見上げてみれば明るい日差しと共に、窓から覗く緑と質感丸出しの屋根の木がまた良い。
空間自体は古い戸建の割に2700mm程の天井高さを確保しているので、細長くコンパクトな割に、窮屈さはあまり感じなかった。側面に備わった天窓や前後の開口部などによって、思っていた以上に室内は明るく、十分な古さが伝わってくる中で感じる清潔感に、かなりの確率でこの空間に惚れてしまうことだろう。2Fに上がれば、ガラッと雰囲気が変わり薄暗さすら感じるもう一つの表情をみる。現在はシルバーアクセサリーの作業場ということもあり、雑然とした状況で清潔感はなく、クタびれた感じの哀愁感すら漂うレトロさを極めた様な空間だった。
>>HOW TO USE
古いことでいくつか乗り越えなくてはいけない問題も正直あるだろう。でも、この物件はそんな障害があったとしてもこの雰囲気を考えれば、多少の問題は小事。引渡し状態は、家具や荷物を除いた現状渡しという条件だが、むしろそんな条件はウエルカム。変に原状回復をされてしまうことの方がこの物件にとっては心配すべきことだ。
求める入居者は、建物全体から漂う色気と、1階、2階がそれぞれ持つ世界観を保ちつつ、このエリアらしくおしゃれに使いこなしてくれる方。それぞれのフロアはコンパクトだが、ショップにしてもオフィスにしても、ショップ兼オフィスでも上下階の動線はかなり機能的に利用できるので、サイズ感と予算感がマッチした方は、ぜひ一度この物件の持つ色気をリアルに感じに来て欲しい。そこら辺の築浅の若造にはない色気にメロメロになるのが目に浮かぶ。
EDITOR’S EYE
惜しいのが、2階の写真が綺麗に撮れ過ぎてしまっているところ。実際はもっと薄暗い感じで写真よりよっぽど男前な空間だった。カッコいいを通り越して、惚れる。そんな物件だ。