南青山オフィス|北河原温氏設計 インパクトある外観
EDIT
>>LOCATION
場所は南青山3丁目。建て替えが盛んな青山通り沿いと、こじんまりした店舗や雰囲気の良い飲食店などのある路地で囲まれた、話題には事欠かないエリア。今回の物件は、そのエリアのちょうど中央あたりで、近くには行列の出来るコーヒースタンド、少し奥には隈研吾氏設計のSunnyHillsなど、個性的な建物が軒を連ねる路地の一角にある。
>>SPACE
まず、なによりも建物外観の造形を特筆すべきだろう。御影石、コルテン鋼、RC打放しといった多くの素材を組み合わせた複雑なファサードは、通りを行き来する歩行者の視線を留めるほどのインパクトがある。設計は、造形的な完成度で定評のある北川原温氏のもの。印象深いその外観は、きっと来訪者の記憶に残るにちがいない。
室内へのアプローチは、ゆったりとした幅の専用階段で直接上がる。階段を登りながら見上げると、様々な形で切り取られた空が楽しげだ。
室内は無骨な天井と、前テナントより引き継がれてきたフローリングが良い風合い。床には多少の色ムラや傷もあるが、その分時間を経て深みを増したアジトのような空間をまるごと愛して頂けると良いだろう。
>>WORKSTYLE
空間を漂う堅牢さには、スタンダードなオフィス家具ではインパクトにかけるので、あえてアンティークやヴィンテージ感のあるような通常のオフィスには向かない家具をおすすめしたい。そして、開口が多くないが、それを活かすようにオフィス内の壁にギャラリースペースを設けてみたり、壁全面に本棚を設置するなど、建物のインパクトに負けない使い方にぜひチャレンジしてもらえると良いだろう。
建物の堅牢で奇抜な雰囲気に、中をのぞくにも勇気が必要な名実ともにアジトのような空間。ぜひ他には見られない建物の妙を楽しんでいただきたい。
EDITOR’S EYE
利用は基本事務所に限られ、外部の看板設置には制限があるので、初めての来訪者は少々戸惑うかもしれない。しかし、それをあえて建築探索のように楽しんでもらえるような演出として捉えてみてはいかがだろうか?