EDIT
表参道交差点からみゆき通りを西麻布方向へ。交差点を背に進むと、華やかな表参道とはガラッと雰囲気は切り替わり、より大人びた落ち着いた街並みを感じる事ができる。人通りは変わらず絶えることはなく、穏やかな中にも華やかさを感じる通り。交差点からほんの数分歩き、青南小学校の少し手前、長く愛され現在改装工事中のYOKU MOKU横に、今回紹介する建物を見つける事ができる。
建物は1993年に建てられたものの、かなり目新しさを感じる外観。大きく設けられたガラスの開口部に加え、建物低層階へのアプローチが道路面から大胆に作られているため、未だに斬新さも感じられるくらい。今回ご紹介する区画はその建物の3階部分の居抜き区画。夏が終わりを感じる頃に退去される、現入居者のオフィスをそのまま引き継げるというまたとないチャンスなのである。
空間の完成度は写真の通り。ざっと見積もっても千万単位での費用がかかった事が見て取れる。その質感と醸し出す雰囲気は、そこらへんのデザインオフィスとは格の違いすら感じる事もできるのではないか。表参道徒歩3分。みゆき通りに大きな開口部を設けたこのクオリティの空間。このサイズ感でありながら、ここまでのグレード感を感じることができるオフィスというのもあまりないだろう。
1点気をつけていただきたいのが、こちらの募集自体が期間限定という事。現入居者の退去前にこちらの空間は原状回復という無慈悲な仕組みにより、特別扱いもされず解体されてしまう事になる。空間は見ての通りのクオリティ。完成から数年経ってもなお、オフィスは綺麗なままの状態からも、現入居者が大切に使ってきた事も感じていただける事だろう。その想いと、この空間と、このロケーション。表参道、青山というブランドを掲げつつ、自社の新たなステージを次なる利用者は切り開いていく事になるだろう。
こちらの現在の入居者は、竣工後初めての入居者。いわばこの空間のファーストシーズンが終わるともいえる。続けて展開されるセカンドシーズンの主役になる企業はどなたになる事だろうか。
EDITOR’S EYE
今回の募集についてもTOKYO WORKSPACEが特例的に取り扱わせていただいている為、限られた期限、情報制限の中で、如何にこの希少な物件を次の利用者に引き継げるかという挑戦でもある。
ゆったりと組まれたワークスペース。ギャラリーにも使われていたフリースペースに、壁面に組み込まれた収納などなど、贅沢にプランニングされた空間は、取り壊すには惜しすぎる魅力ある空間のため、是非一度足を運んでみていただきたい。