大山オフィス・店舗 | 半地下セミスケルトン空間
EDIT
アパレル事務所やデザイン系の会社など、感度の鋭いオフィスが集まる代々木上原周辺。渋谷や表参道などへのアクセスが容易な立地に関わらず、未だ未開拓の物件も多く身を潜め、比較的リーズナブルな賃料設定な物件が多いことなど、このエリアの魅力は尽きない。そんな中に、また期待を感じる空間が現れた。渋谷方面を背に、井の頭通りを数分ほど進んだ先にこの空間はあった。
通りを見上げるように、半分地下に潜っている空間。通り沿いではあるものの、この絶妙な隠れ方は見逃してしまう人も多いかもしれない。現況は前テナントの退去時に撤去したままの少々乱雑な状態。床は剥がされ、電気系のコードもプラプラしている。もちろん次の入居者の工事前提での引渡であるため、あえて整えていない状況ではあるだろうが、このザックリとした工業的なテイストもなかなか絵になって面白い。室内は広々としたワンルーム空間と奥に小部屋が一つ、水回りもしっかり設置されている。また、正面とは別に裏面のコートヤードからも直接アプローチ可能。人はもちろん、2方向から光を取り込め、視線も抜けるなど、地下のような閉鎖感はほとんど感じない空間だ。正直手は掛かりそうな空間ではあるが、それ以上の可能性を感じさせてくれる空間とも言える。
この物件の魅力は様々だが、特に目を輝かせたいのはこの賃料設定だろう。ベースは店舗物件だが、賃料はだいぶリーズナブルに設定されているように感じる。入居の際には最低限の工事が必要だが、このパフォーマンスを考えれば、資金をプラスαしてガッツリ理想の世界観を仕上げる事も考えられそうだ。人通りが多い立地とは言えない為、一見さんを中心としたショップは少し難しいかもしれない。しかし、オフィスやショールーム、コンセプトを強めに持たせた店舗など、様々な用途をMixさせてみるのも面白そうだ。ここにベースを構え、次のステージへの基礎を固めてみてはどうだろう。
EDITOR’S EYE
正直早いもの勝ち物件だろう。空間性や賃料の面などパフォーマンスは高い。通常であれば1F路面などオフィスとしては手が出しにくい設定ではあるが、この物件ならリアリティーは十分。気になったらすぐ見た方がいい物件だ。