赤坂オフィス | 変貌の期待値の高いテラス付き空間
EDIT
青山一丁目駅より数分。外苑東通りから赤坂住所に足を踏み入れると、程なくして興味をくすぐる建物があった。カンボジア大使館に隣接し、「新坂」という歴史ある坂の始まりにポジション取りするこの建物。顔立ちは住居のようにも見えるが、1階のレストランやその周りに配置された植物たちも相まって、印象はなかなか良い。今回紹介するのは、その2階部分。建物に沿って坂を上ると、側面に直通のアプローチが現れる。このシンプルな動線は、空間をブランディングする上で様々な可能性を広げてくれそうだ。
良くも悪くもベーシックなオフィス仕様といった室内。エントランス周りに一部ショールームのような内装が残されているが、全体的にニュートラルな装いの空間だ。内部に入ってから気付く事だが、平面はシンプルな箱ではなく、「家型」のように角張った作りをしている。とは言え、その歪な形が空間へ奥行きを与える良い効果となっており、プランニングに支障をきたすような作りではないので安心してほしい。窓越しにはウッドデッキも備えられ、そこから一直線にミッドタウンタワーを望む事が出来る。夏の夜には、夜景を横目にビール片手にデッキで仕事というのも気持ち良さそうだ。ロケーションなども含め、なにかと妄想が膨らむ空間だった。
今後の可能性という面でこの物件に惹かれている。建物は木造で、現在は壁紙などによってその本来の姿を隠しているが、一部点検口を開けてみると、高めの天高と木造の木組みが現れる。天井は緩やかな三角屋根で、室内に立つ柱も恐らく中身は木柱だろう。これらを全て取り外した本来の姿を想像してみてほしい。なかなかのヨダレものの空間イメージが浮かぶはずだ。もちろん原状回復がベースとなるので予算との兼ね合いにはなると思うが、磨けば磨くほど輝くポテンシャルは十分秘めているように感じる。正直開けてみないとわからない面もあるため、工事も一筋縄では進まないかもしれない。しかし、それらを踏まえた上で、可能性にかけて挑戦してみる価値はありそうだ。
EDITOR’S EYE
環境もとても良い。静かで、人通りも少なく、駅からもそれほどストレスを感じない距離にある。その分、店舗単体としては少々難しい立地とも言えてしまうが、オフィスとしてはかなりいい環境だろう。この地で個性を輝かせてみてはどうだろう。