神宮前オフィス・店舗|1棟貸し スケルトン空間
EDIT
表参道からのアプローチを入口として、明治通りと並行した裏通り。入口付近には『リアル脱出ゲーム』を展開するSCRAPのイベント会場を備え、裏通りながらも、独特な華やかさと活気に溢れた通りだ。そんな通りの中央あたりに、存在感ある一軒家として佇む今回の建物。ストリートの変貌と共にとも変化するこの建物は、このストリートにとってなくてはならない存在でもあるだろう。
元々は個人の住宅であったというこちらの建物。270平米を超えるその面積からも、元々は豪邸ともいえる建物だったのではないかと伺える。1992年築の建物は、裏ハラという新しいカルチャーの誕生以降、時代の変化を受け入れ住居から店舗などへとその用途を変えることで、街とストリートの成長と変化に順応しつつ愛されてきた。現在、前入居者である美容室の内装と外装は一旦リセットされ、改めてニュートラルな状態で次の入居者を待っている。通常であれば、有効な内装、造作、設備などは活かされ、居抜きなどで新たな入居者を募ることも多いが、この建物には一旦“リセットする”という潔さが備わっている。そんなところも、今の時代に求められているものにきっちり対応できるという強さにもつながっているのではと考えさせられた。
空間は、前提として“戸建て”的な要素も感じさせつつも、空間の取り方や、中央に構えられた大きな階段から、一端の商業建物の様にも感じられる。一般的にはスケルトンといわれる状態なのだろうが、一望できない空間の配置が、ショールーム、ギャラリー、ショップとしての使い勝手はもちろん、訪れた人が抱く期待感すらも高めてくれるようなポテンシャルを感じることができるだろう。ゆったりとしきられた1、2F。その空間にはふんだんに開口部が設置されていて、明るく健やかな空間への対応も可。隠れ部屋のような3Fは、いかなるバックヤードとしての活躍も期待できる、この建物になくてはならない有り難い存在だろう。
元々の住宅としての存在感を持ちながらも、時代に順応し、街とストリートとともに変貌を遂げ続けているこちらの建物は、次はどんな入居者を受け入れるのだろうか。そして、この建物に入居した企業にとっても、このストリートと街に対してその存在感を知らしめるまたとないチャンスとして、自身の変貌を期待し楽しんで利用していただきたい。
EDITOR’S EYE
内外装含め自由度の高い物件。3方道路に面している特性も上手く利用して、とことん創り込んで頂きたい。
因に、軽飲食程度であれば相談可能との事なので、本来の利用用途に加え、人の集えるカフェを一部に構えるのも素敵だ。