曙橋オフィス・倉庫|天井高の大型空間
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最寄りは曙橋駅。新宿方面へ伸びる靖国通りから枝分かれする緩やかな坂道を進み、さらに路地を一本曲るとまもなくしてこの建物が見えてくる。来年で45歳になるこの建物。そのために全体的にその年期を感じる面もあるが、なにより生活感たっぷりな上階のおかげで、正直その見た目の印象はいいとは言えない。しかし、そんなことすら一瞬で忘れさせられるような圧倒的な空間がその地下に潜んでいた。
募集区画はB1。エレベーターの扉が開くと、そこには一瞬で感情が高ぶるような空間が現れた。元は電気機器の部品を扱う、倉庫兼事務スペースとして使われてきたこの区画。そのため、天井高5M、150坪のワンルーム空間はなかなか体験できないスケール感を放っており、数字上は150坪と言いながら、感覚的にはさらに壮大な空間体験を味わう事ができるだろう。ご覧の通り、室内はこれでもかと素地丸出しのスケルトン状態。しかしそのゴツゴツした表情と、工業っぽい雰囲気のある蛍光灯のライト。さらに、万が一漏水が起きた時の事前対策だという天井に張り巡らされたクリアな塩ビパネルが、いい意味で、ヨレヨレの魅力的な空間を生み出している。また、現在は故障のために使用はできないようだが、以前は道路面から荷物を上げ下げするために使われていたというリフトがそのまま残されており、これがまたハードでかっこいい。もし資金に余裕があれば、これを修理し、映画スターばりに朝はリフトで登場なんてやってみたいものだ。
もう一点、この物件の魅力は何と言ってもその家賃にあるだろう。こんな特殊空間でありながら、そのお値段なんと坪単価8,000円(税別)。これは驚きの数字だ。もちろん、その分越えなくてはいけないハードルは高く、投資コストや設備関係の整備、アプローチ計画や外観の印象などなど、ざっくりあげるとキリはない。しかし、その高いハードルを越えてでもどうにかして手に入れたいと思える、感情が暴走してしまうよう魅力のある空間だ。資金が許す限り、徹底的にこの空間を作り込み、まだ誰も知らない自分たちだけの秘密の地下世界を作り出してみてほしい。このポテンシャル、きっとこの空間はさらなる変貌をとげるだろう。
EDITOR’S EYE
この空間が新宿区にあるのも驚きだ。この数字感であれば、その分内装に資金を投入し、空間を徹底的に作り込むこともできるだろう。ちなみにトイレやキッチンは共有部ではあるものの、ほぼほぼ占有扱いできる新規設置したものが1Fにある。エアコンの設置はないので、コストが掛かるのはこちらだろう。自然光が一切入らないので、スタジオ系などがメインとなるかもしれないが、映像関係など自然光をあえて遮るオフィスとしても悪くはないかもしれない。