EDIT
多くのショップや飲食店で賑わう西側と、庭園美術館や品のある邸宅などが建ち並ぶ東側エリア。少し足を伸ばせば異国の空気漂うプラチナ通りもあるなど、遊ぶにも住むにも、もちろん働くにも楽しい立地と言える目黒駅周辺。そんな場所に見つけた今回の物件は、五反田方面へ10分程歩いた首都高沿いに建つ建物。清潔感のあるファザードで、アールを描いたコーナー部分がちょっとしたアクセントを与えている。外観からも期待出来る通り、室内にもこの曲線が織りなす面白い空間が潜んでいたのでご紹介する。
対象区画は4階部分。部屋の扉を開けると、ワイルドな男の表情と、柔らかな女性の曲線を備えたユニセックスな空間が広がっていた。工事現場で使われる足場材で組まれた床や、スケルトンの無骨な表情を表す天井。イメージとしては男の作業場といった仕上げか。なかなかワイルドで面白い素材のチョイスだ。しかし、それだけでは空間として重くなってしまうだろう。片や、その女性のボディーラインのように柔らかな曲線を描く窓面。触れたくなるような色気のある窓際で、色々な意味で魅力的に映る。この柔らかさが男臭さをうまく中和させてくれているので、空間に重さはまるで感じられない。また、室内は比較的コンパクトなサイズではあるが、窓面からこれでもかと光が射し込むので、とても明るく解放的だ。気候の良い季節は日中の居眠りに注意してほしい。おそらく元々2部屋として貸し出されていた区画を、1つの空間にリノベーションして貸し出しているこの物件。その為、以前は共有部だったエレベーターホールも専有部として含まれている。内装はリノベーションされていないため綺麗とは言えないが、逆にメインの部屋の扉を開けた時の感動は何倍にも増すだろう。ちなみにトイレや水回りもこのスペースについており、このサイズにしては十分すぎるスペックが備わっているのもポイントだ。
どのようなテイストにもフレキシブルに対応出来る空間だろう。むしろ1つのテイストに限らず、様々なテイストを混ぜた使い方がこの空間には合っているようにも感じる。例えば味わいあるヴィンテージな家具の中に、ポップなカラーで色味を持たせ、窓際の日当りを利用して設置する植物などで柔らかさを与える。また、オフィスとしてはもちろんだが、ショールーム機能を混ぜたり、商品の物撮りや撮影などの使い方もミックス出来そうだ。ベースは整っているので、あとはあなた次第でこの空間は様々な表情に容易に変化するだろう。一見は百聞に如かず。まずは室内で想像を膨らませて欲しい。
EDITOR’S EYE
もし予算などに余裕があるなら、エレベーターホールも色気のある空間に仕上げてみると良いだろう。まだまだ手の加えられていない発展途上と言えるスペース。床や天井、壁など、いじりがいに溢れている。照明を変えるだけでもガラッと雰囲気は変わるかもしれないので、DIYでコツコツいじっていっても良いだろう。とは言え、原状回復義務はあるのでお忘れずに。