原宿オフィス|味のある無垢フローリング空間
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>>LOCATION
原宿駅至近のロケーション。数々のアーティストの感性を育み、KAWAiiカルチャー発祥の地でもある竹下通りを横目に、線路沿いを代々木方面へ向かう。通り沿いにはイチョウの木が並んでおり、駅から徒歩2分という束の間ではあるが、道すがら季節の移ろいを感じられそうだ。ゆるい坂を上りメディアで取り上げられるショップや飲食店を越えて脇に折れると、古き時代の原宿の欠片が取り残されたかのような、周辺建築と異なる雰囲気を纏った群青色の建物が現れる。
>>SPACE
壁面に伸びる幅広の外部階段で2Fへ。扉を開けると、外観とは趣きが異なるが、これまた味のある空間が飛び込んできた。前入居者の荷物がまだ残ってはいたが、きれいに改装されたモダンな空間は40年近い築年数を感じさせず、白化粧のスケルトン天井と壁面、そして無垢のフローリングが鮮やかに調和している。10坪あまりのコンパクトな空間ではあるが、小さなキッチンとユニットバスを一角にまとめた無駄のない構成と言えるだろう。天井も最低限の配線とライティングレールが整列するのみで、すっきりとした印象を受ける。光を取り込む窓からは苔むした木が覗いており、季節になれば室内に彩りを添えてくれるだろう。その木の横の小さすぎて可愛いらしいバルコニーから緑を楽しむのも良さそうだ。
>>WORKSTYLE
サイズ的には控えめだが、立地的にも意匠的にもクリエイティブワークにはもってこいの空間のように思えた。陽当たりの良い窓際に、日々業務に勤しむワークデスクを。直接光が届かない手前側のスペースには、大きめのペンダントライトをぶら下げて打合せ兼ラウンジスペースとしても良いだろう。
竣工は1978年。これはラフォーレ原宿が開業した年でもある。原宿がファッションの街として広く知られるようになったこの時代から、この空間は多くのクリエイターに愛されてきたことだろう。脈々と受け継がれるクリエイティブの系譜とも言えるこの空間で、想像力をフル回転させて頂ければと思う。
EDITOR’S EYE
ちなみにベッドや机イスは無くなるが、スポットライトとブラインド、エアコンは残置となる予定だ。素材のポテンシャルを活かしつつ、空間の魅力をさらに加速させるような使い方をしてみてはいかがだろうか。