EDIT
場所は代官山。旧山手通りと駒沢通りの丁度交わる賑やかなその場所に、コンクリート剥き出しのまま、時が止まってしまったようなこの空間を見つけた。
誰もが知る交差点。複雑に車が行き交い、恵比寿、中目黒、渋谷をつなぐヘソの様な場所。逆に足が止まらない分、何も主張のない現在のこの空間を認識する人は少ないのかもしれない。
現在は写真通りのスケルトン状態。天井の高さも十分に取れており、光差し込む気持ちいい場所。空間の雰囲気でいえば、そこらへんのハイスペックのオフィス空間でもかなわないだろう。
空間からみえるガラスの向こうの車の流れは、音は聞こえないが、眺めていることはむしろ面白く感じる。空間には道路から直接アプローチできる大きな開口部が2面あり、どの様にこの空間を使うかによって、色々イメージは膨らむ。分かりやすく考えると美容院が入っているとしっくり来る。街の中によくある風景。でも、この物件、ロケーションと空間のポテンシャルの割には、駅からの人の動線からは少しズレているため、賃料設定はオフィスでも十分納得のいく設定。そんな隙をついて、やはりここでもオフィスをイメージしていただきたい。
床、壁、天井に空調設備、水回りと、全て手をいれなくてはいけないが、余計な造作等は省いてコストを抑え、シンプルにオープンな空間を創ってみてはいかがだろうか。ユローリングの床、真っ白い空間、かなりのインパクトはある。行き交う人も、車で通り抜ける人に対して、一瞬でも「お!」と思わせる魅せる空間に仕上げ、新しい空間の誕生を知らしめつつ、自社の存在を代官山のこの地に植え付けてほしい。
EDITOR’S EYE
見られるオフィスというのは、働くうえでも意外と良いものである。この物件の場所であれば、オフィスの開口部は看板ばりに視認性がある。そういった環境にオフィスを構える事で、人から見られている意識を持ち、背筋もシャキッとさせてくれる事だろう。