南青山オフィス・店舗|天井高 スケルトン空間
EDIT
青山通りから西麻布方面へ伸びる外苑西通り。日々多くの車が行き交う通りだが、人通りという面では正直それほど多いと言えない。その為か、建ち並ぶショップはどれも個性的なものが多く、それを目当てに訪れる人が多い立地にも感じる。そんな通り沿いに潜んでいたこの物件。外苑駅から5分ほど。スキーショップジローを越え、緩やかにカーブする道の中腹にこの空間はあった。
以前はアパレル店舗として使われていたB1-1Fの路面区画。スチール製の重厚なガラス扉を開けると、魅力的な空間が姿を現した。写真では伝わりにくいが、どちらのフロアも4M弱と天井が高く、なかなか普段味わえないスケールを感じさせてくれる室内。簡易的な照明は付いているが、エアコンや水回りなどの設備は一切ついていないので、まっさらなスケルトン空間となっている。それがかえって純粋な空間へと繋がり、特に吹き抜けから地下へ降り注ぐ光が、ミステリアスで魅力的なシーンを生み出していた。建築というよりはまるで洞窟のような、どこか怪しくも好奇心を強く感じてしまう色気ある空間だ。
空間を整えるにはそれなりの初期投資が必要なため、オフィス単体というよりは、店舗やショールームなどの用途を兼ねた使い方が現実的かもしれない。先にも述べた通り、商業エリアのような人通りは無いため、その分人を引きつける強いコンセプト、空間が必要となる。どのような使い方をするかはお任せしたいが、どちらにせよ、空間の質をガラッと変えてしまうよりかは、なるべく本来備えている魅力をより引き上げるような空間へと仕上げてほしい。元々人類は洞窟を見つけ、そこに住み、そこからヒントを得て今ある空間を生み出してきたと思う。この空間は、そんな原点となる始まりの洞窟のようなものかもしれない。この空間をベースに、内に秘めたアイデンティティーを是非開花させてみてはどうだろう。
EDITOR’S EYE
飲食以外の店舗であれば、まずはご相談可能とのこと。上下にて分散させ易い作りなので、異なる用途をミックスさせるのもアリだろう。そこから生まれる化学反応がまた楽しそうだ。初期投資はかかるが、空間の作り甲斐は感じて頂けるポテンシャルは十分秘めているだろう。