南青山オフィス | リノベーション空間
EDIT
>>LOCATION
外苑前駅と青山一丁目駅に挟まれる南青山2丁目エリア。青山通り沿いには高層のオフィスビルが立ち並び、ビジネスマンが足早に行き交うが、少し裏通りへと進んでいくと、高い建物は少なくなり、落ち着いた印象のエリアへと変わる。一瞬、ここが南青山であることを忘れてしまう様な長閑さすら感じる雰囲気もあり、意外な心地良さに自然とゆったり歩いている自分に気づくかもしれない。
そんな落ち着いた雰囲気のエリアにマッチした、レトロな要素が際立つタイル張りのマンションを見つけた。
>>SPACE
建物内で空きが出た区画から順にフルリノベーションを行い、各区画はそれぞれ全く異なる仕様に仕上げられている。
今回募集の302号室の室内は、黒と白で構成された潔いモノトーンの空間。そこにナチュラルなウッドをアクセントとしてデザイン性を追求しつつも、シンプルさを感じる第一印象は◎。もちろん、なんとなく雰囲気の良い空間というだけでは終わらず、細かく見ていけば、天井に埋め込まれたライティングレールやスポットライトまで白で統一し、更には天井においては下地材をそのまま塗装して質感をキープするなど拘りを感じた。そして、普通なら床は白で統一したり、フローリングなどでまとめそうだが、敢えて重めの黒いフロアタイルを持ってくるところもまたニクい。ウッドの壁に囲まれた水まわりの扉を開けると、そこも床や壁、設備までも真っ白に揃えられていて、かなり拘りを持ってデザインされた空間だと感じた。
>>WORKSTYLE
建物自体は少々レトロさがありながらも、この区画の扉を開ければ、内装はシンプルで品の良い主張があり印象はかなり良い。だからこそ、この空間に配置する1つ1つの家具や什器は、飾りすぎずに質感は重視。スチールやコンクリートなど無機質な質感を更に加えてみると、空間の持つ魅力がより際立つ気がした。
主張がうるさくなく、細部まで拘りが行き届いたこの空間は、ある種、理想的なスタンダードにも思えた。シンプルが故に一見簡単にも思えるが、実はかなり深く考えて成り立たされたもの。良い仕事というのは、きっとこの空間と同じように、深く考えられた上でシンプルに見えることも多いので、クリエイティブに働く空間としては相性の良さを感じた。
EDITOR’S EYE
毎回新しく空間が募集される度に楽しませてくれるこの空間。同じ仕様にしてしまえば、おそらくコストも抑えられ、工事も同時進んでスムーズに募集になるはずだが、そんなことはお構いなし。きっと空間デザインが好きで、次はどうしたら面白いかなど楽しみながらデザインしているに違いない。そんなところも好感が持てる物件だ。