神宮前オフィス | 人気のコープオリンピア
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1965年。街が東京オリンピックに沸いた翌年に、原宿の駅前に生まれた伝説的な集合住宅がある。その名は「コープオリンピア」。前年に開催された祭典にあやかって名付けられたこの建物は、当時の最先端が詰まった夢の住まいだったという。時代の変化に伴って徐々に住居利用者が数を減らす一方で、味わい深い空間に魅せられたクリエイターがオフィスを構える部屋も多く、ケヤキ並木に面する各ユニットにはPCに向かって業務にいそしむ姿も見える。
募集区画は2-3Fのメゾネット。メインの2F部分はユニット2つを横に並べた形で56㎡ほどの広さをもち、南窓からの光が木目調の床にはね返る健やな印象の空間だ。手すりが特徴的な階段を上った先の3F部分は水廻りを挟むようにユニットが直列した間取りで、片方のユニットからは表参道の賑わいが眺められる。3Fの2部屋はともにタイルカーペット仕様となっているので、利用用途に併せて床材を変えてみても良いだろう。歴史ある建物だけあって天井はそれほど高くはないが、窓から抜ける眺望も手伝ってか窮屈さは感じられなかった。内装に関しては正直なところパッとしない印象だが、より魅力的な空間にするために、まずは照明に手を加えてみてはどうだろう。味気ない蛍光灯を撤去して、ライティングレールに電源をつなげば好きな照明で自由に空間を照らせるはず。マイペースに少しずつ、自分らしい空間にカスタマイズして頂ければと思う。
これまで数多くの著名人やクリエイターにも愛されてきたコープオリンピア。時代を超えても憧れのシンボルとして語り継がれるこの空間に身を置いて、次の時代を築くアイデアを描いてみてはどうだろうか。
EDITOR’S EYE
贅を尽くした建物には、当時としては珍しいホテルライクなエントランスロビーやフロント、長い廊下に敷かれた赤い絨毯、入居者が自由に出入りできる屋上には現在は利用できないがプールまで付いている。随所に時代を感じさせる歴史的な建物で、キャリアを重ねてみるのも悪くない。