渋谷オフィス|新規リノベーション空間
EDIT
>>LOCATION
道玄坂の目印となる交番裏手に広がる円山町。その昔花街だったと言われるエリアは、今ではその影も薄く、飲食店街、住宅街を中心としつつ、昔の名残をホテルが担う。どこか混沌とした雰囲気はありつつも、渋谷駅へのアプローチや、充実した飲食店街はこのエリアの魅力でもあり、隠れたファンが多いのも周知の事実だろう。そんな円山町から少し入ったところ、落ちついた街並みで、その昔の“円山町らしさ”は感じられない穏やかな時間が流れるところにこの建物を見つけた。
>>SPACE
空間は、元々住宅だった普通のマンションを全解体して1から作り替えた、近年リノベーションした物件。建物自体は否応なしに年季が感じられるため、エントランスからのアプローチには少々うろたえるかもしれないが、室内に入ってしまえば、開口部の多さからくる明るさと、質感のある木のテイストから、清潔感すら感じる爽やかな空間だ。
形状は、少々変則的な形をしているものの、その癖を考慮したプランニングのためかなり機能的。個室も予め用意されているので、家具さえ持ち込めば、完成度の高いオフィスがすぐに出来がることだろう。
>>WORKSTYLE
この空間の強いところは、やはりその開口部の多さだろう。普通のオフィスでは考えられないくらいに大小異なる大きさの窓が東西南北に散りばめられ、光だけではなく、風通りと気持ちよさも同時に与えてくれる。そして、適度な変則的形状によって、少し目線を躱せるスペースもあるのも面白い。レイアウトを考えてみれば、固定で15席程度は問題なく吸収できるが、せっかくなら大きめのテーブルをドンとおいて、余裕のある空間の使い方をしてみるのはいかがだろう。フリーアドレスメインで、奥まった部分に固定席を少々。都合よく中央部分に収納スペースもあるため、その部分をうまく利用して各スタッフのロッカーを設置することも可能だ。
定着しつつあるフリーアドレスのスタイルを採用してみるいい機会。もちろん、固定席ニーズもウエルカムだが、これだけの魅力が揃った空間だからこそ、これまでやりきれなかった新しいスタイルも受け入れてみるテンションにならないだろうか。オフィスは居心地重視で、働き方は自由に。渋谷らしく、遊ぶように働く大人を目指してみてほしい。
EDITOR’S EYE
エリアに馴染みがない方には少々勇気がいるかもしれないが、個人的には、住まなくても都に感じてしまう魅力があるので、多少の立地的な懸念は、“住めば都”を信じて乗り越えてきてほしい。気持ちいい空間と、美味い街。悪くないと思います。