北青山オフィス・店舗 | 青山通り沿い 大型ショーウィンドー付き1F-2Fメゾネット空間
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>>LOCATION
青山エリアの中でも、ビジネス街のイメージが強い青山一丁目付近。青山通り沿いには大型のオフィスビルが立ち並び、いくつもの有名企業がこの地に拠点を構え、道ゆく人も、表参道原宿と比べカチッとした格好の人が多い印象。この建物があるのは、そんな青山通りと銀杏並木の交差点付近。少しかしこまった感じのオフィスビルが立ち並ぶ中に、明らかに1つだけ風変わりな雰囲気を纏ったこの建物があった。
>>SPACE
まるで海外の古い建物を彷彿させるような、クラシックなデザインが面白い建物。今回ご紹介するのは、この建物の顔とも言える路面区画。以前まで某英国アパレルブランドが利用していた区画で、ショーウィンドーさながらの大きなガラス面のある、かなりのインパクトある空間だ。
室内は1Fと2Fのメゾネット仕様。1Fは5M、2Fも4.5Mと、いずれもかなり天井が高く開放的で、その2つの空間を、高さ8.6Mもあるという吹き抜けがサラッと繋いでいる。大きなガラス面からは光がダイレクトに射し込んできて、特に道路側は明るく健やかな雰囲気に包まれる居心地のいいゾーン。また、窓先には、行き交う車や人々、天候の移ろいなどもダイレクトに映し出され、静かな空間にいい躍動感を与えていた。
フルスケルトンなので、現実的に考えるとかなり労力と費用も掛かりそうだが、そんな不安よりも好奇心が大きく上回り、一旦忘れさせてくれる。そんな興奮すら覚える魅力的な空間だった。
>>HOW TO USE
この天井高のある空間や、2フロアで切り分けられる事。なによりこの大きなガラス面をどう表現に活かすかがこの空間の面白みで、近い未来の姿を妄想するだけでワクワクしてくる。
建物が海外のクラシック調なデザインなので、その強い世界観にそっと合わせた空間作りでもいいが、あえて異なるテイストで遊び心ある色合いや装飾を加えるのもありだろう。個人的には後者の方に興味があり、例えばポップな色合いやデザインなどで自分らしいひねりを加えることで、既存の雰囲気をうまく取り入れた新しい世界観が演出できるのではないか。また、固定的な内装だけではなく、季節ごとにポップアップ的に色合いや表情を変えてあげるのも面白いと思う。季節やイベントなどで定期的にその表情を変え、青山通りを通るたびについつい気にして見てしまうような建物。そのような存在となれば、このショーウィンドーがより大きな広告塔としてもよく生きるだろう。元々世界観の強い建物だが、その世界観に飲み込まれず、あえて定説を崩して自分らしさを作る。そんな表現者がこの空間とうまく巡り会えたとき、このショーウィンドーがどのような姿形となるかがとにかくすごく楽しみだ。
EDITOR’S EYE
なかなか他ではお目にかかれないこの大きな窓面の見せ方、天井高や光の入り方などを考えれば、ショップやオフィスだけでなく、スタジオやイベントスペースなど、様々な方向が考えられるだろう。また、1Fと2Fで明確にアプローチを切り替えられるので、複数の利用方法をミックスする事も良さそうだ。