EDIT
渋谷駅に降り立ち、桜丘代官山方向に246を越える。セルリアンタワーの裏に回るように桜丘町に入ると、マンションやオフィスビルが広がっている。その合間にレストランやバーが点在してあり、ランチタイムもバータイムも大人な感じに人が行き交っている。しかし数メートル進むと住宅街に入るため、商業エリアは駅に近いところにまとまっている。この建物はその商業エリアのシンボルであるセルリアンタワーの裏手に、割と無機質な建物が建ち並ぶ中、不思議な存在感を放っていた。
1階と半地下部分はおしゃれなダイニングバー。今回募集しているのは、その2階部分である。エントランスを入ってしまえば、普通のオフィスビルであるが、やはり特筆すべきはこの外観だろう。といっても、とにかく全体的に蔦の葉が繁々と建物を包んでいる。それに尽きる。蔦は、花言葉でいうと勤勉とか、誠実を意味するそうで、それに関連づける訳ではないが、確かに落ち着いたしっとりとした空気が流れている。例えるなら、研究室や図書館が入っている大学の割と奥にありそうな建物、というイメージだろうか。アカデミックな雰囲気を演出するべく、室内は教室をイメージしたインテリアにし、通勤時のファッションはアイビースタイル、というのはやりすぎだろうか。渋谷駅からほど近い好立地なのに、知らない人にとっては、どんな会社が入っているか想像しづらい不思議な建物。ツタのベールに包まれた秘密のオフィス。何事もオープンであることが叫ばれる時代ではあるが、時にこんな謎めいたオフィスがあっても素敵ではないだろうか。
EDITOR’S EYE
以前の入居者が居住中に一度内覧をしたことがある。室内は至ってシンプルなOAフロア。形がやや変形しているが、窓からの採光もあり、開放的な雰囲気があった。