EDIT
駒沢大学駅を下り立ち、上に首都高を見上げつつ、若者が多く活気ある246に沿いロードサイドを数分下る。駅周辺は、賑わいと喧噪が入り交じった通り沿いのイメージが強いが、一本中に入ると落ち着いた街並がそこにある。この物件も246から少し入ったそんな落ち着いた街並の入口にあった。
空間は、完全なる地下。地下2階と地下1階をぶち抜いた天井高が最大5mを確保した圧倒的な空間。一部前テナントが残していった、シャワーやキッチンカウンターなどの水回り設備が残っており、それを上手く活用できれば、後はこのスケルトンの部分をどう造るかに絞られる。地下はワークスペースとしてネガティブな要素も多い。スタジオや、ショールームとしての利用ももちろん可能だが、敢えて、この隔離された空間を、自分たちの居心地を追求したオフィスづくりをしてみるのはどうだろうか。天井の高さは十分あるので、空間を作り込めば圧迫感はほぼ気にならないだろう。自分たちの周りにも、気がつけば窓のない環境はそこら中にある。デパートや、飲食店、大企業のオフィスでも部署によっては窓のない空間で一日中働いている人も多い。そう考えるとそんなに珍しいという訳でもない。音はある程度出し放題。昼も夜もここでは関係ないので、いつでも同じ環境が用意される。地下という要素を逆手に取れば、メリットも十分得る事が可能だ。
実際問題、現在の日本のオフィス事情、なかなか空間の造り込みを思い通りにやりきれる物件は少ない。最近では雑誌やサイトでよく紹介される様になった、海外の先進的なオフィス空間、そういった空間を造りあげる事ができるポテンシャルを持つ物件という意味では、とても希少な空間だろう。
自分たちがどの様に働きたいのか、空間に何を求めるのか、そんな事をイメージして、居心地良くトコトン働けるオフィスというのをこの空間で計画してみてはいかがだろうか?
EDITOR’S EYE
元々スタジオだったこの空間。スケルトン以外の設備はなかなかのグレードのものがついているので、そこの機能を上手く再生していただきたい。シャワーのついている地下物件。既になかなかの個性をもっている。因に、建物の奥行きは最大で29m。29mの奥行きで天井高が5m。それだけでもなかなかの空間だ。