南青山オフィス・店舗|1棟貸し 元アパレルショップ兼スタジオ
EDIT
Francfrancを構える南青山三丁目の交差点から西麻布方向に少々。SKI SHOP JIROを目印に、キラー通り(外苑西通り)の一本裏に入りこむと、少々青山らしからぬ雑然さを感じる裏通りが大通りに並行して走っている。知る人ぞ知るこの道に、その外観以上の期待を上回る建物を見つけた。
建物は3階建ての1棟丸ごと。道路面からダイレクトにアプローチできる区画はもちろん、創り込まれた2、3Fと現状から受ける印象は悪くない。若干の偏りはあれども、壁の仕上げ、照明の変更だけでも印象は大きく変えられ、自分好みに仕上げる事はできるだろう。元々アパレルのショップ兼スタジオとして利用されていた建物だが、重飲食にも対応可能という自由度の高い建物。1階フロアから緩やかなアールを描いてアプローチできる2階は、室内に段差を持たせた変則なカタチで、癖を感じつつもレイアウトを考える際には、遊び心フル回転させきっと楽しめる。それぞれのフロアを繋ぐ階段室も、良い雰囲気を持っているので、建物に入ってから徹底して空間の雰囲気に浸れる魅力もあると考えると、かなりポイントの高い建物だ。
更にこの建物の魅力を決定づける要素としては、ボタンひとつで天井が開いてしまうという点。元々中庭だったという1階部分から3階まで続く吹き抜けは、開閉式の天井によって、ダイレクトに空を望む事ができる。撮影時は日が傾いた時間だったため、突き抜けるような青空は望めなかったが、晴れ渡った気持ちの良い日には、見上げれば青空というシーンを日常的に体験する事ができるだろう。
青山を少し躱した立地に佇む今回の建物。利用用途の自由度もありながら、遊び心を十分に満たしてくれる要素がふんだんにちりばめられている。更には、夢中になればなるほど閉鎖的になりがちなオフィスワークも、この物件なら外の天気を気にしつつ、青空を待ちこがれながら働くという、ここでしか実現できない働き方も出来そうだ。
EDITOR’S EYE
建物は現状渡しとなるので、プラスαで自分色に手を加えて頂きたい。極めて魅力的な要素も多いが、癖のある部分があることも否定できないため、建物のポテンシャルを活かしつつ、ポジティブにこの建物を楽しんでみてはいかがだろうか?