南青山オフィス|リノベ済み 路面区画
EDIT
2015年に、惜しまれつつ閉館したホテルフロラシオン青山。その前を通る道も通称’フロラシオンの通り’と呼ばれるなど、この地のランドマークの名残りとして今でも親しまれている。そんなフロラシオンの通りから1本路地を曲がり、緩やかな下り坂をおりていった先。南青山4丁目特有の静かな住宅地の一角に、この建物はあった。
程よくエリアに馴染みつつも、そのデザイン性のあるファザードでどこか突出した存在でもあるこの建物。築30年ほどではあるが、8年ほど前に全面リノベーションを施したこともあり、外観や共有部などもなかなかキレイで印象も良い。現在、そんな建物の1F部分、60㎡ほどの大きさの路面区画が募集されている。室内もリノベーション時にスケルトン仕様に変更されたが、その後なぜか簡易的な間仕切りやタイルカーペットが混ざるなど、現在はなんとも惜しい感じの内装となっていた。ただ、やはり素地は良好で、少し混乱気味のこの内装を整理すれば、空間はよりグッと引き締るだろう。建物後方には専有使いが可能なテラス付きの庭があり、その脇にはコンパクトな引きこもり部屋や5㎡ほどの倉庫もついているので、サイズの割には付き合い方でかなり重宝する空間とも言える。ちなみにトイレだけは階段下にある共有のものを利用するが、なかなかキレイ目な男女別トイレが備わっているので安心していただきたい。
実際のところは現状渡しのため、まずは空間作りから始めてほしい。長い目線でガッツリ資金を投じて作りこむのもいいが、最低限、床の素材を変え、間仕切り壁の撤去だけでも十分本来のポテンシャルを引き出せるだろう。また、正面ガラス面に中途半端に貼られているミラーシールも、これを機に剥がしてもいい。1Fなので外から丸見えの状態にはなるが、道路から室内を覗くと、裏庭までスーっと視線が抜けて行き、その先に裏の緑も映る。エントランスの扉は開けっぱなしにしつつ、そんな健やかな見え方を演出してみるのもいいだろう。それとは逆に、室内の丸見え感をうまく利用してショールーム的な要素も兼ね揃えることも可能なので、人の入りやすさや、ふと足を止めて覗き込みたくなるようなところになってみてはどうだろうか。青山の住宅地で、行き交う人が足を留め、ついお邪魔したくなるようなオフィス。そんな存在になれたら「こんにちは」と迷わず声をかけるような、素敵な働き方をしていただきたい。
EDITOR’S EYE
実は前回募集時はかなりのスピード感で決まってしまった建物。それから3年経ち、再度訪れたこのチャンス。南青山エリアではなかなかこの条件のオフィス空間は現れないので、気になる方はすぐ動き出してほしい。