オシャレな大人の街というイメージの恵比寿。エリア内には感度の高いショップや飲食店が多く建ち並び、代官山や目黒、本気を出せば渋谷や表参道へも徒歩でアクセス可能など、住む場所・働く場所としてもとても魅力的な土地でもある。その為か、この地で物件を探す人は多い反面、なかなか物件の数が少ないエリアでもある。きっとそれだけ居心地が良いのだろう。そんな土地に見つけたこの物件は、願ったり叶ったりの貴重なチャンスと捉えられる。

約半世紀ほど前に建てられたレトロなマンションの一室。建物や共有部からは年相応の年期を感じさせるが、一歩部屋に入ればリノベーションによって生まれ変わった新たな空間を味わう事が出来る。当時としては珍しいメゾネットタイプの部屋で、アクセス階となる上階部分は、カーペットの敷かれた比較的ベーシックな作り。秀でた華やかさまではないが、どことなく暖かみと安心感を与えてくれる部屋だ。回り階段を下りた下階部分。こちらは華やかな仕上がりとなっている。幅の広い無垢フローリングや白塗装のスケルトン天井と壁、ステンレスの小洒落たミニキッチンなどが設置された空間。コンパクトなスペースだが、高めの天高やもう一つの部屋まで抜ける廊下のおかげで、気持ちに余裕は感じる。片やその廊下の先にある部屋は、モルタル仕上げの壁や木の建具など、様々なテクスチャーが混合する部屋。日当りは良く、日中は一番明るい部屋と言える。レジデンスタイプなので、中央には風呂やトイレなどの水回りが収納された木のボックスがある。周りを全て木に包まれたその風貌は、どことなく大黒柱のようで印象的だ。内部は一般的なユニットバスではなく、程よくデザインされた、来訪者にも自慢出来る作りとなっているのでご安心を。各フロアーにある小さめのバルコニーもポテンシャルを持っている。前面には大きな建物などが無いため、遠くの空までポッカリと空いた眺めは気持ち良い。さらに外にはミニシンクも付いているので、もしガーデニングを楽しむ時などにも便利な作りだ。住む為によくよく考えられた作りなので、オフィスとして使っても気持ちの良い部屋であることは確かだろう。

住居兼用で事務所を探している方には朗報の物件ではないか。住居としてはだいぶパンチのある賃料だが、事務所兼用で考えれば意外と手を伸ばせる価格でもある。あくまでオフィスとして、インテリアや緑化などで空間を感度高く仕上げていけば、昼はガツガツ働く場として、夜はスタッフを押し出して自分だけのリッチな楽園を楽しむ事が出来る。休日も同様に出勤は一切禁止となるので、なにかとスタッフにも優しい環境だろう。オフィス機能を最大限に利用した住み方を、この物件で試してみてはどうか。

今回撮影に伺った際、他の区画もいくつかリノベーション工事を行なっているようだった。今後、建物のビンテージ感を活かした面白い空間がどんどん増えていき、クリエーター達の巣になっていけば、建物としても徐々に魅力が増していくのではないかと思った。そんな予感を感じさせる今回の物件。今のうちに抑えておいて損は無いだろう。