恵比寿オフィス | セミスケルトンのデザイン空間
EDIT
>>LOCATION
恵比寿駅からは歩いて8分程。渋谷方面へ明治通りを進み、目印となるフレッシュネスバーガーある交差点を右へ曲がると、その先に伸びる緩やかな坂道沿いにこの建物は見えてくる。このエリアは静かな住宅地のイメージがあるが、その建物のある道は車の交通量も多く、都会の喧噪さもやや感じられるような立地。だからこそか、そんな環境と反する面白いデザインのこの建物はある。
>>SPACE
先に言うと、この物件には2つの大きな面白みがある。まずはその外観。コンクリートとガラスのモダンな箱に、大胆にも樹木のようなグラフィックプリントが施されたインパクトあるファザード。正直このようなデザインの建物は他では見たことなく、絶対的なこの建物の個性と言えるんじゃないだろうか。2つ目は、その内部空間。室内は50坪ほどのワンルーム空間で、その仕上げはコンクリート打ち放し。一見それほど珍しい作りには見えないかもしれないが、新築当時からこれがデフォルトの空間で、その建設当時にしてはかなり革新的な物件だったんじゃないだろうか。この打ち放し状態が仕上げのため、変な荒々しさはなく、むしろ丁寧に仕上げられ、クールでスマートな印象さえ受ける空間だ。水回りなども含めて、一式空間は整えられているので、このまま家具を並べるだけでも十分カッコいいオフィス空間を手に入れられるだろう。
>>WORKSTYLE
ファザードのプリントもただの化粧ではなく、光が射せば室内に木陰のような抽象的な影を落とす。想像してほしい。せっせとデスクワークをしている際に、急に太陽が出てきて、窓から落ちる木々の影がデスクに落ちるシーンを。それまで何気なく働いていた空間を、一瞬で森の中にいるような気持ちの良い環境へと変えてくれる。もちろん実際に緑が見えればより良いのだが、そんな贅沢は言わずとも、逆にアイディアによって森を生み出したこのスペースは、ある意味都会らしい空間と言えるんじゃないかと思う。そんな恵比寿に見つけた森の中で、存分に癒されつつ、働く時間を楽しく感じてほしい。
EDITOR’S EYE
こんな空間を選んだからには、個性的な働き方をしてほしい。思い切ったレイアウトが似合う空間である。
たとえば、さえぎるものを造らない、フリーな空間。エレベー空間を高い壁やパーテーションなどで遮ることはせず、みんなでこの森を共有するように、ワンルームのままで使った方がいいだろう。駅からはそれなりに距離はあるが、駅前の喧噪からはいい感じに離れ、そこに現れるこの環境。いい空間だ。