六本木オフィス|最上階天高7.7m有り1棟ビル
EDIT
>>LOCATION
六本木交差点から外苑東通りを東京タワー方面へと進む。大通り沿いということもあって、大手の飲食チェーン店やカラオケ、ドン・キホーテなど比較的大型の店舗が並び、賑やかな印象が続く場所。やや騒々しさも否めないが、その分道幅も広く、空の分量も多めで、通りの先に待ち構えている様な東京タワーを目掛けて歩くのは、個人的に結構好きだ。その通り沿いに規模の大きなビルの間を掻き分けるようにちょこんと立つ、このエリアでは少々小ぶりな1棟ビルを見つけた。
>>SPACE
以前は比較的整ったレジデンスとして募集されていたこともある1棟ビル。しかし、現在は全てを取り払った荒々しさのあるフルスケルトンの空間になっていた。なかなかハードな状況を目の当たりにし、不安が募りつつも各フロアを上がっていくと、それぞれのフロアは道路面に大きな開口部を持ち、意外にも明るく、スッキリと感じられる。上るほどにだんだんと明るさが増していく中、辿り着いた最上階には、天井高が最高で7.7mとかなりの開放感を感じられるまさかの空間。吹抜けを介して3方向からの光が照らすその場所は、実は、フルスケルトンにした際にロフト部分だった床まで解体してしまったことによって、不幸中の幸いの様に誕生した偶然の産物とも言える空間だった。
>>HOW TO USE
この建物を見た時に、1人ちょこんと取り残された様に立つ姿に愛らしさを感じた。規模感の大きな建物に囲まれ、雨にも負けず、風にも負けず、そして、隣の再開発にも加わらず。。。そんな風にここで実直に耐え忍ぶ様にも思える姿からはある種の強ささえも感じられる。その室内は、意外にも無駄のないシンプルな形状のため、実はオフィスとしても店舗やショールームとしても利用はしやすいだろう。そして、最上階の天高スペースは、ロフト部分は敢えて作らずに利用することで、開放感と特別感を備え、計り知れない気持ち良さをそのままに利用するのが良さそうだ。
耐え忍ぶというと堅実という印象に感じられるだろう。しかし、この建物からはそんな堅実さに加えて、最上階にある特別な空間によって、遊び心まで感じられる。この空間で働く上では、そんな建物と同様に堅実さと遊び心を兼ね備え、自由自在に働く。そんな風にわたしもなりたい、と人が集まるオフィスになるに違いない。
EDITOR’S EYE
以前の掲載はもう8年ほど前。今回の募集までの間に何度か入居者は変わっている様だが、雰囲気の良いレジデンスは健やかに働くことのできそうな空間だった。フルスケルトンからの作り込みになるため、自由度は高いので、一つのイメージとして参考までに。