南青山オフィス | 2016年1棟リニューアル済みデザインオフィス空間
EDIT
>>LOCATION
最寄りの表参道駅からは8分ほどの、六本木通りに近しい立地にある建物。骨董通りを抜けていくのが最短ルートではあるが、個人的にはあえて遠回りながらも、青学の脇を延びるアイビー通りを進むのが好きだ。大通りの賑やかさとは無縁な穏やかな通りで、住宅街の中に、ポツポツとギャラリーやショールームなども混じっているなど、歩いていてもなかなか楽しめる通り。そんな通りをしばし道なりに進み、2020年に完成したヨックモックミュージアムを越えたあたりにこの建物は見えてくる。
>>SPACE
レトロで淡い色合いをした、優しい雰囲気の建物。2016年にフルリノベーションされた建物で、全体のデザインは人気のHOUSETRAD社によるもの。まるでショップのような見た目と、内部は海外のホテルを彷彿とさせるような、インダストリアルで大人おしゃれなオフィス空間へとリメイクされている。
募集はその3Fにある1室。室内は工事途中?とも思わせるようなベニア板張りの床と、白塗装の壁天井からなるセミスケルトン仕様で、世界観たっぷりな共有部とは対照的に、ここから如何様にも彩りやすそうな柔軟さを感じる空間だ。室内は大小2部屋に分かれるため、使い勝手も良さそうな印象。ただ、前入居者の名残で、現状は濃いグレーの造作壁や、窓面のスモークフィルムがそのまま残されている。これが要因で、全体がうっすら暗い色合いになっているところがすごく惜しいところ。本来は全体的に雰囲気も明るく、光もダイレクトに射し込む空間だという事はここで補足しておきたい。
専有部の他に、MTGスペースや、4Fのラウンジとルーフテラスなど、共有部が充実していることもこの建物の特徴。専有部だけに留まらず、建物全体で豊かな時間を過ごすことができそうな、充実感を感じられるような施設だった。
>>HOW TO USE
先にもお伝えした通り、造作壁とスモークフィルムが本来の空間の明るさを抑えつけているところがもったいない。そこでまずはこれらを撤去して、0に戻った本来の姿からどう彩るか考えて頂くことが良いだろう。元々ベースが整った空間でもあるので、単純に家具を並べるだけでも十分成立しそうだし、少し什器などを造作してオリジナル性を加えてあげるだけでもいいと思う。色合い的には、白やコンクリートの淡い色、植物の色などの明るいトーンを基調としつつ、部分的にブラックフレームなどでギュッと締める感じがいいだろうか。居室は働く機能に絞りつつ、打合わせは共用分のMTGルームを使えばいいし、ラウンジや天気の良い日はテラスなどをフルに使って、建物全体で楽しみながら仕事を楽しむ。近年同様の建物が増えてきたために、このような時間が珍しくはなくなったものの、他の建物とは一味違うデザイン感度の高さも同時に味わえるのが、この建物の特異性ではあるはずだ。
タイトルにある”good office good life”は、この建物のスローガン。そんな建物が目指すように、このセンスの良い空間や建物から大きな刺激と豊かな時間を手に入れ、楽しい仕事の日々を南青山で過ごしてみるのはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
コンクリートの大きなサイン版と、その下に茂る多彩な植物たち。どこかオーガニック系?のショップとも思えるような、優しい雰囲気に包まれた建物。それが骨董通りから奥へ入っていった、この絶妙にいい外し方をした穏やかな立地にひっそりと立っている感じもまた素敵だった。