南青山オフィス・店舗|路面区画 スケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
新国立競技場まで一直線で続くキラー通り。スタジアムまで比較的近い南青山エリアも2020年東京オリンピックに向けて期待感が高まるエリアの一つだろう。新国立競技場を背にして西麻布方面へ向かう途中、言わずと知れたSKI SHOP JIROの角を曲がったところに、経年を感じさせるレトロな印象の建物がJIROと背中を合わせるように立っていた。
>>SPACE
今回の募集は1Fの路面区画。道路に面した大きなガラスは視認性が高く、信号待ちをする車にもキラー通りへ出る通行人にも、目に止まりやすい印象。行き交う人も今はまださほど多くない通りの1F路面でも、これだけの視認性があれば、物販店舗は十分あり得る立地だ。横引きシャッターを開け中に入ると、まだ解体されて間もない状態の空間が広がっていた。ボロボロだけどかっこいい廃墟感すら漂うフルスケルトン。スケルトンだけあって、天井も高く、所々に残された白いラインがアクセントとなり、ある種の洗練されたデザインの様にも感じられた。実はこの物件、空間の奥から道路側に振り返ってみれば、開口部だらけということに驚くだろう。角地になっている2方向の道路に面する壁面のほとんどが開口部であり、半分外にいるようにさえ感じてしまう。
今はまだ見ての通りのボロボロの状態だが、空間としてのポテンシャルは高い。いやむしろ、ポテンシャルしか感じられない空間だった。
>>HOW TO USE
視認性の高い1F路面区画で、道路との近さもなかなかのものであれば、店舗として疑いようのない好条件。今回は室内だけでなく、建物1F部分の外観にも手を入れる必要があり、より建物の顔としてのイメージを作りやすいだろう。ただ、現状のマーケットからはそこまで大きく外れていない賃料設定。それならば、この1F路面のスケルトンというTHE店舗向きの空間を敢えてオフィスでの利用を前提として考えてみてはいかがだろうか。スケルトンゆえに普通に考えても初期の内装コストはかかってしまうが、窓面、サッシのやり替えも予算内に検討できるなら、全ての開口部を全開放サッシへと変更してみる。そうすればこの空間の半分の壁がなくなり、もういよいよ”ほぼ外”の状態だ。天気の良い日には全ての窓を開けて、極限まで開放感を高めつつ、街の中に溶け込んで働く。用途としては、飲食業はNGでもフリーアドレス制として、どっからどう見てもカフェというような外部へ開ききったオフィスにしても面白いだろう。信号待ちで止まる車がオフィス内を覗き込んでしまうなんてことも少なくないかもしれない。
一度オフィスの前を通ったら忘れられない気になる場所。サービスや商品を使って会社を認知してもらうということは一般的だが、逆にオフィスから会社や商品、サービスを認知してもらうことが出来る空間ではないだろうか。
EDITOR’S EYE
EE
この日も撮影中、通りかかる人がスケルトン状態の空間を見て「すごい」と会話していた。空間を作り込んで開放することで、もっとたくさんの人の目を楽しませられる空間になるだろう。