南青山オフィス・店舗|視認性良好 スケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
青山通り沿いに新たに建築され、その存在感を遺憾なく発揮するavexビル。その脇を西麻布方面へと続く長者丸通り沿いには、住宅や昔ながらのこじんまりした店舗が立ち並び、見上げたavexビルとのギャップが不思議に感じる。営業日には豆大福を求め行列のできる和菓子屋「まめ」の丁度向かいほどの場所にあるこの建物は、そんな通りの中程で、主張し過ぎずに建っていた。
>>SPACE
建物脇に直接動線のある2F区画。細く長い建物の為、道路に面している部分こそ限られてはいるが、しっかりと確保されたウィンドウ面から内部を覗き見したくなる様な、人目を引く存在感があるだろう。室内は素地良好なスケルトン仕様となり、通り側にある長方形の空間と、一番奥の正方形に近い空間がくっついた変則的な形状。三方向に開口部がある手前側の空間は、直射日光をうまく避けており、光量の落ち着いた光の差し込む空間。奥にあるのは、今回増築されたという部分で、共有の配管むき出しのやや倉庫感を感じる薄暗い空間。ちょうど中間となる接続部分にキッチン設備とトイレが残されていることもあり、見せる空間とそうでない空間をうまく使い分けることで、様々なバリエーションが想像できそうだった。
>>HOW TO USE
ひとつながりの空間で、室内の雰囲気がこうも異なる物件も珍しい。スケルトンからの作りこみは必要となるが、この立地で店舗利用も可能な物件としてはお得感のある賃料設定。ギャップのある二面性をうまく活かし、ショールームに併設したバックヤード的な利用はもちろん、オフィス+αの空間とすることも可能だし、それぞれのスペースで異なる世界観を演出するショップなども面白いだろう。
明るさに満ち隠すところのない表部分と、決して表に出てこないが静かに穏やかな印象のある奥の部分。もちろん各々の空間でも成立はするだろうが、太陽と月の様な関係にも思える対照的な組み合わせが、より魅力を感じさせてくれる。どちらの空間にも今以上に磨きをかけつつ、それぞれの個性を活かしながら、この場所から更なる輝きを放ってみるというのはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
建物奥の部分は、元々1Fの駐車場上部となっていた部分に床を貼り増築したとのこと。若干法規的な懸念はあるが、それだけに抑えられた賃料設定。どのように活かすかも含め、まずはのどかな長者丸通りを散歩がてら、見学に来てみてほしい。