東新宿オフィス | 軍艦マンション
EDIT
>>LOCATION
最寄りの東新宿駅からはほんの2分ほどの、職安通り沿いにあるこの建物。近隣には新宿歌舞伎町や新大久保エリア、東側には大企業のオフィスまで立つなど、いろいろな顔が混在する。また、車通りや人通りも多く、立ち並ぶ飲食店の多国籍な匂いも混じるなど、カオス感すら感じてしまう独特なエリアだ。そんな立地だからこそ、この圧倒的にキャラ強めな建物が立っていても、不思議と納得できてしまうのかもしれない。
>>SPACE
通称「軍艦マンション」と呼ばれるこの建物。陸軍出身で、独特の世界観から異端の建築家、鬼軍曹とも呼ばれた渡邊洋治の代表作。キャラクター性で言えば、この右にでるものはなかなかいないだろう。かつては建て替え間近まで追い詰められていた建物だが、2011年に全面リニューアルされ、40年の時を経て、オフィス・シェアオフィス・シェアハウスなどの複合型の戦艦?へと姿を変えた。リノベによって館内はよりキャラクター性を増し、それに触発されたように徐々に濃いメンツも集まってきたようで、今ではいい感じに怪しげな雰囲気をもった、独特の世界観のある施設に感じた。
前置きが長くなったが、そんな建物の5Fにある空間が募集している。その内部空間もまた、期待を裏切らずやっぱり個性的。ギザギザとした独特な間取りと、多彩な色合いのカーペット・壁面のペイントなどが施された、クセの強い感じだ。そんな空間に最初は驚くが、意外と居心地は悪くなく、ギザギザした窓面からうまく日光をキャッチするために、どの部屋にも自然光が入るような優秀な作りとなっている。室内は、そのギザギザの形状から、かなり見通しが悪いが、そのおかげでアジト感が高まり、全体的になんかワクワクさせてくれた。
>>HOW TO USE
よく考えてみると意外にもこのギザギザ空間、使い勝手も良さそうだ。1つ1つのユニットが数席置ける程よいサイズなので、例えば入り口から奥に進むにつれて、ミーティング、ラウンジ、執務室など、徐々にプライバシー性を増していくような配置にすればすっきり収まるだろう。一番奥は司令室のように、主要な作戦会議の場としても面白いかもしれない。また、共有スペースであるアトリエと呼ばれる創作スペースや、まるで戦艦の甲板のような屋上テラスもうまく利用して、この艦内で過ごす時間をフルに楽しんでいただければと思う。正直一般ウケするような物件ではないと思うが、他の物件では物足りない。もっと個性を解き放てる場を。と、物足りなさを感じている方。ここに自分を解き放てるいいアジトがありますぜ。
EDITOR’S EYE
遡ること改修が行われた2011年よりさらに前。人伝ての話では、土地柄から外国籍の住民も多かった頃、廊下には、“廊下で焼肉禁止!”の張り紙が貼ってあったという。また、一部住民は、室内に鳩を誘い込み、確保し、喰らっていたという話も。。まるで都市伝説のような話だが、そんなストーリーを持つ建物が好物な人たちは多いはず。もちろん自分もその1人だ。