中目黒オフィス|3面採光セミスケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
人気の街となって久しい中目黒。再開発され、小洒落た飲食店などが多い駅高架下に、昔ながらのゆるい雰囲気の目黒銀座商店街、そして自然を感じられる目黒川。そんな風に洗練された新しさと絶妙なローカル感、そして自然まで混ざり合う欲張りなエリアと言える場所だ。桜並木の美しい目黒川を池尻方面へと進んで、カステラの福砂屋の手前を折れたところ。青い外観に耐震補強のブレースがやけに目立つこの建物を見つけた。
>>SPACE
かつてはアパレル企業の倉庫兼オフィスだった1棟ビル。今回1棟丸ごとリニューアルされて新しい姿へと生まれ変わった。
室内は1F〜4Fまでほぼ同様の作りで、モルタルの床に、白く塗装された壁と天井というニュートラルな状態。何もないスッキリとした状態ではあるが、素地の良さとレトロなサッシが絶妙なバランスで、その窓の先には耐震補強のために設置された黒いブレースが覗き見える。そんな何気ないアクセントも含め、キメキメに見えすぎない抜け感に好印象を覚えた。空間はコの字型の形状で、北・東・南に向いて3面を窓としているため、晴れた日は、陽当たりも確保されてきっと健やかに感じられるだろう。レトロな建物でありながら、男女別トイレに給湯室も新設、雰囲気の良さだけでなく、快適にも働くことができる空間だった。
>>HOW TO USE
この空間の個人的に好きなところは、肩肘張っていない力の抜けた感じ。それは、中目黒というエリアの影響もあるのかもしれないが、建物自体も絶妙にリラックスした雰囲気を醸し出している様に感じられた。この手のリニューアル物件は、こだわりが全面に反映されすぎていて、少々とっつきにくさみたいなものを感じることもある。ある種入居者が入居する前に完成している様な物件になってしまっていることで、自分たちの入り込む余地みたいなものを感じづらい気がしてしまうのだ。その点、この物件は空間の色合いも相まってなかなかゆる〜い雰囲気。そのままでも充分利用できるベースの良さがありながら、そこから内装の足し算もイメージできる。さらに家具もデザイナーズから、ヴィンテージものまで意外と幅広く相性の良い空間に感じるのは、この建物の経年の味のある雰囲気を活かしたリノベーションになっているからではないだろうか。
緊張感を持って仕事に取り組むことも必要だが、常にとなるとなかなか骨が折れるだろう。この空間は、敢えて中目黒という立地を選ぶ企業にとって、いい感じに中目黒らしく、リラックスして働くことができるオフィスだと思った。
EDITOR’S EYE
目黒川を通る通勤というのは、季節を感じられ、気持ち良さもあってかなり贅沢だと思う。ただし、桜祭りの数日間だけは、早朝に出社するか、西郷山通りからそっと通勤したい。。。