東麻布オフィス|建築家によるコンバージョン済み 1棟オフィスビル
EDIT
>>LOCATION
六本木ヒルズ脇から麻布十番方面へ進み、赤羽橋に差し掛かる少し手前。前方を見上げれば、東京タワーの先っぽが視界にギリギリ入ってくるあたりにある、ここ東麻布。同じく麻布の名のつく西麻布や南麻布、さらには元麻布と比較すると、古くからの工場や個人商店なども散見され、個人的には訪れるたびにその下町っぽい印象が好ましく感じられる場所だ。桜田通りから1本入った路地にある今回の建物は、ただでさえ隠れ家的な立地であることに加え、秘密のアジト感ある空間を隠していた。
>>SPACE
元々自動車部品倉庫だったと言うこの1棟は、数年前に建築家の手により事務所/ショップ/宿泊用途にコンバージョンされ、4年間限定の複合施設として運営されていたとのこと。その後一度、企業のオフィス利用を経てその姿は変わらず現在に至る。内装は建築家によるリノベーション時からオフィス仕様へと一部変更され、B1F〜5Fの各フロアは、すっきりとした印象の良い仕上がとなっている。
1Fエントランス脇にある個室は、コンクリートのコア抜きで作ったという変わり種の窓が良いアクセント。B1Fはギャラリーだったらしく、有孔ボードにスポットの当たるなんとも色気ある地下。2F/3Fは床こそカーペットだが、味わいのある躯体が露出した雰囲気の良いセミスケルトン空間。4Fはキッチンのある住居仕様で、さらにその上にある隠れ家的な5Fはスキップフロアとなっている。1フロアごとで見ると比較的コンパクトであるが、エレベータはあるし、B1F以外は各フロアにトイレも完備。魅力的な空間が重なる5層の建物は、スタンダードなオフィスに飽き足りた方にぴったりと言えるだろう。
>>WORKSTYLE
用途に合わせた若干のアレンジ程度で、今すぐにでも利用可能な状態。オフィス以外の複合用途を組み合わせるもよし、部署ごとに使い分けるもよし、その使い道は多種多様だろう。個性あるフロアを余すことなく味わうために、全フロアをフリーアドレスとしてみるなんていうのも贅沢だし、4F/5Fをいっその事サロンやラウンジとして、スタッフの憩いの場にしてしまうのもアリ。もちろん上層部を住居とした兼用事務所とすれば、窓先の東京タワーを独り占め出来、職住近接空間としての満足度もグッと高くなるだろう。妄想はドンドン加速するばかりではあるが、そんなイメージが膨らむのも、ワークスペースにも、打ち合わせルームにも対応できる程よい各フロアのサイズ感と、すっきりとした空間の印象によるものだろう。
ここまで仕上がった空間であれば、追加で必要となのは明確なコンセプトと、遊び心のアイデアだけ。据え膳食わぬはなんたら、、というが、このお膳立てされた状態を見れば、もはやあとは決心するかしないか、それだけだ。
EDITOR’S EYE
募集自体は一応定期借家。もちろん大きく手を加えないで良い状態ではあるが、契約についてはある程度の区切りはある。4年間限定からスタートし、あと何年残るか、という状況ではあるかもしれないが、だからこそ好きになってしまった今、この空間へ飛び込んでほしいと思う。