代官山SOHO | 築浅デザインビル最上階SOHO空間
EDIT
>>LOCATION
渋谷並木橋から駒沢通りへと伸びる八幡通り沿い。街路樹やカフェなども立ち並ぶ代官山の主要な通りだが、個人的にはその通りから外れて、細かく枝分かれする路地を入っていくのが好きだ。奥へ入ると、静かな住宅街エリアに、小洒落たショップや雰囲気のいいギャラリーなどが点在していて、毎回なにかしら新しい発見がある。これが代官山エリアの楽しみ方の一つでもあると思う。この建物もまた、そんな路地を少し奥へ入った場所に見つけた。
>>SPACE
2020年に建てられた見栄えのある1棟ビル。1F・2Fは「スタートアップ企業を応援したい」というオーナーの熱き思いから、2022年4月にセットアップオフィスがオープン。今回は、その後を追うようにリニューアルされた、最上階3F部分をご紹介する。
その室内はシンプル。セミスケルトン仕様の広々としたワンルーム空間で、3方向にぐるりと囲う窓からは、日中よく陽が射し込み、風も気持ちよく抜けていく。その窓先には2面にウッドデッキバルコニーと植栽(現在剪定前)がセッティングされていて、そこから眺められる渋谷のビル群の景色がニクいほど気持ちよく感じられた。
実はこの空間、本来は住居仕様。そのため、この中央を陣取る大きなキッチンの他に、最小限のシャワールームやトイレなどが、コンパクトにすっきりとまとめられている。言うなら、セレブリティーな1Rという感じか。この誰もが羨むような立地を含め、なんとも贅沢な空間だった。
>>WORKSTYLE
建物の属する用途地域の関係で、原則は住居兼事務所(SOHO)契約。使用中もオフィス感をみせないために、なるべくレースカーテンで視線を遮って頂いたり、バルコニーも簡単な休憩程度での利用で制約するなど、利用にはいくつかの制限が付いている。そんな厳し目の制約がついている上に、決して賃料もお安くはないというから、なんともハードルの高い空間だ。ただ言い換えれば、高嶺の花のような空間でもある。ハードルが高い分、なかなか皆が手を出しにくいものの、勇気を出して一歩を踏み出し、柔軟な思考と寛大な対応でうまくその試練を乗り越えていけば、その先には魅力的な空間がまっている。一旦そのハードルを超えてしまえば、あとはこっちのもの。この空間のもつ居心地や、外の自然の移ろいに癒されつつ、穏やかな働く時間を得られるだろう。そんな空間で働くことで、もしかすると勝手にいいスパイラルに入っていくかもしれないし、良い流れがまるでメドレーのように、いつまでも繋がっていく気がしてならないような空間だった。
EDITOR’S EYE
基本的には3Fでの登記は不可。しかし、下の1F-2Fのシェアオフィスにて登記は可能だという。すごく贅沢な使い方をするなら、1F-2Fの個室をオフィスとして使い、3Fに住まう。。スタッフから大きなクレームが来そうだが、そんな贅沢な使い方もありえるのかもしれない。