西麻布オフィス | 個性派SOHO空間
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>>LOCATION
広尾ガーデンヒルズの北側に広がる西麻布4丁目エリア。言わずと知れた麻布の高級住宅地の一角で、その街並みには品すら漂う。そんなエリアには、かつてのバブル時代に作られた贅の極みのような空間が今でも多く残っており、近年ではそれらを住居だけではなく、事業用としても利用できるケースも増えてきている。この物件もまた、その時代に作られたものだが、他では見たことない、クセの強い奇抜な造形をしていた。
>>SPACE
建物の上に立つ大きな橋。そんな奇想天外な光景に出会った人は、きっとすぐには頭の整理が追いつかないはずだ。正直、この建物をうまく文章として説明しようとする事は至難の技。なので、ここは潔く諦めて大まかに説明したい。外観からでは少し読み取りにくいが、その空間は1Fの中庭を挟むようにロの字型の作りとなっていて、誰もが気になっているそのブリッジは、実は2つの居住空間を繋ぐ架け橋のような階段となっている。このような奇抜なデザインが採用されるとは、、恐るべしバブル時代の建築だ。今回ご紹介する2-3Fの最上階の区画。図面上では一見単純そうに見える作りだが、その内装は和洋折衷で統一感が無く、さらにトリッキーな赤い橋や、2本目のブリッジや2つ目の玄関なども奥に潜んでいたりと、軽くパニック。文章や写真だけでは説明しづらいネタが豊富な空間なので、これ以上は現地で理解してもらうしかなさそうだ。ただ、1つ誤解しないで欲しいのは、決して奇抜さだけが売りではない。実際にその空間に慣れてくると、割と住居としても働く場としても、使い勝手が良さそうに感じてくるからこれまた不思議な空間だ。
>>HOW TO USE
かなりキャラ濃いめではあるが、訪れるものに強烈なインパクトを与え、深く印象を付けるにはもってこいの物件と言える。ブリッジや廊下などの占める面積が多いので、実際に有効な面積は数字よりだいぶ減ってしまう。しかし、それを踏まえた上でかなりリーズナブルな賃料設定なので、どちらかと言うと少人数制でゆったりと使ってみてはどうだろうか。とにかくうちには個性がほしい!という方。普通のオフィスには飽きた!という方。またはただの変わり者のあなた。こんな変わった物件はいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
建物の設計は石井和紘氏。安藤忠雄氏によって今ではアートの島として世界に知られている直島だが、実はさかのぼること50年ほど前に直島の公共施設を一手に任され、開発を行っていた建築家のようだ。ポストモダン建築と呼ばれるその独特の世界観によって、バブル期に建てられたこの建物は、その作品の中でも特に個性的なのではないだろうか。ちなみに一説には、左右の橋は、アメリカ東海岸のクイーンズボロブリッジと西海岸のゴールデンゲートブリッジというアメリカ東西の有名な橋をイメージしたという。ただし理由は不明だ。