EDIT
明治通りと駒沢通りを繋ぎ代官山の脇を通る八幡通り添い。並木橋と代官山のちょうど中腹ぐらいだろうか、まだまだ代官山らしい雰囲気が残るエリアに建つ、ヴィンテージ風の黒いレンガの建物。この前をよく通る人なら見覚えがあるかもしれない。代官山駅からは、道中にある個性的なショップやカフェなどを見ながらゆっくり歩いても、10分もかからないほど良い距離に建っている。
今回紹介するのは最上階の4・5階の部屋。元はオーナーの住居として使われていた空間で、グレーに塗装された玄関扉を開けると、100㎡ほどあるワンルーム空間が広がる。床はタイルカーペットが敷かれた一般的なオフィス仕様だが、天井は部分的にスケルトンのように抜かれ、高さや開放感を確保されているので、なかなか良い空間かと思う。3方向の窓からは、日中光が安定して射し込むので、日当りも良好と言えるだろう。中央にある黄色いアクリル板で囲われた階段を上ると、アールのガラスブロック壁が光る階段ホールが現れる。ホール脇には2部屋コンパクトな空間があり、一つは柔らかなアール壁の部屋。もう一つはシンプルな正方形だが、天高が4M程はあるのっぽな部屋。それぞれ打ち合わせや作業スペースなど、使い方はいろいろありそうだ。さらに大きなバルコニーがもれなく2つも付いてくる。どちらも眺望も良く、手を加えたらより魅力的なオフィスとなるだろう。なんとも嬉しい特典だ。
下の階はメインのワークスペース、上の階は打ち合わせスペースという使い方がシンプルで使い易そうだ。室内はこのままで十分良い空間なので、さほど手を加える必要も無さそうだが、もし物足りなければ、私なら全力でバルコニーを創り込むだろう。ウッドデッキや人工芝を全面に敷いて、木や植物、パラソルやソファーなどを置いたワークスペースを作る。天気の良い日には日光を浴びながらゴロゴロと働き、仕事終わりには夜景や星空を見ながらRooftop Barのように仲間と酒を飲みかわす場にする。そんなリフレッシュの時間に意外と新しいアイディアは生まれるものだ。そう考えるとRooftopでの時間は最もクリエイティブな時間かもしれない。
EDITOR’S EYE
このロケーション、この空間とコストパフォーマンス、さらに大きなバルコニーが2つも付いているなど、なかなかの掘り出し物の物件だと思う。室内はオーナーのこだわりやセンスが所々伺え、この目を引く黄色いパーテーションや、小窓の付いたクラシック調な扉など、細部へのこだわりなども感じられる。