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新宿と原宿エリアの中間にポジション取りする代々木。なにかとアクセスの良いこの立地には、以前は多くのスクールが集まっていたが、近年では時代の変化に伴い、代々木Villageなど刺激の高い商業施設も出来、今後の盛り上がりも期待出来るエリアだ。そんな代々木駅を下り、新宿御苑方面へ2分ほど路地をすり抜けた先に、予想もしていなかった、なんともノスタルジックな雰囲気をかもし出す建物が現れた。果たしてこれを紹介していいものなのか。。
古屋5棟セットの募集。これだけでもテンション上がる募集内容だが、実際に現地に行くと、想像を上回る建物たちに鼓動が高鳴ったのを感じた。ここが代々木駅徒歩至近、新宿と渋谷の間にあるとは信じがたい。なかなかここまでの物件には巡り会わないため、我々もその取扱いに戸惑を感じた程だ。
町内の1区画に、コの字にポコポコ建ち並ぶ5つの建物。正面の1棟以外は、これまで長く放置されてきたのか、壁は朽ち、野生に伸びたツタや雑草に浸食されたノスタルジックな建物たちが並ぶ。
室内は未確認。外からの確認では状態が良いものもあるが、ツタまみれな建物もある。でも、この建物が連なった連続感が、生粋のヴィレッジ感を醸し出す。この一画が、回遊できるような店舗になったら、、と想像すると、新たな代々木の顔になるレベルの場所になることは間違いないだろう。ワンパターンな開発の続く周辺を横目に、この地にあり続けた建物の物語とポテンシャルを引き継いで、日本らしい一帯を作り込めるチャンスと捉えて頂けると面白い。この物件も、既に再開発の計画と天秤にかけられているかもしれないし、そういった計画と紙一重な感じも受けるので、そんな事はおかまいなしに、「人の流れを変えてやるぜ!」と勇んでくれる猛者が必要だろう。
正直、人によっては廃墟、ゴミという認識をもってしまうかもしれないが、この建物に惹かれているのは私だけではないはずだ。タイトルにも明記したが、取扱いには注意が必要な物件の為、くれぐれも慎重に、、でも、誰よりも大胆に、この建物、代々木という街の魅力を改めて引き出してほしい。
EDITOR’S EYE
2020年を見据えた街の新陳代謝が進む中、こういった物件の再生も必要な気がする。インバウンドを意識して、、という宿泊施設の増加も面白いが、改めて日本の文化や、食等を伝えるに相応しい場の開発も日本らしく行えれば、2020年を過ぎた後に残る東京という街が今よりももっと素敵になっているのではないだろうか。