神宮前オフィス・店舗 | 新築デザイナーズビル
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表参道ヒルズの裏手、キャンピングトレーラーの“エアストリーム”を改造した可愛らしいカフェを通り過ぎてすぐの角地に、2016年9月に竣工した新築スケルトン空間がある。
新築物件ということもあり目隠しのため養生材が貼られてしまっていたが、交差点に面した断面図を思わせる外観は、スラブと呼ばれるコンクリートの床を除いてほぼ全面ガラス張り。視認性に関しては申し分ないと言えるだろう。3層フロアの内、今回の募集区画は1Fと2F。新築まるっと一棟借りの夢むなしく、地階にはヘアサロンの入居が決まっているという。少し残念だが、ポジティブに考えれば仕事の気分転換に利用する手もあるかもしれない。
まずは1F。ガラス張りの扉を開けると、窓から差し込む光が床面を明るく照らしていた。天井は3.2Mを超える高さがあり、光と相まって開放感さえ感じられる。通りに面して一段上がったディスプレイ用のスペースは、企業やブランドのPRステージとして使い方に想像が広がるだろう。一方で開口部の少ない奥のスペースは、照明演出の腕の見せどころと言えるかもしれない。2Fへのアクセスは脇道側に用意された外部階段から。特徴的なタイルと青い目地材が鮮やかな壁を背景に、エイジング加工された赤錆色の手すりがよく映える。下階に比べてやや天井は低いが、窓から視線が抜けることもあり窮屈さはそれほど感じられないだろう。ボード仕上げのフラットな天井には梁が収まっているはずなので、1Fと同様にスケルトン天井とすれば、さらに高さは得られるはずだ。
「Perspective Section」とは、設計図面における遠近法の掛かった断面図(断面パース)のこと。外観のイメージをそのままタイトルにしてしまったのだが、調べてみると Perspectiveには“将来の展望”といった意味合いもあるそうだ。この空間でのスタートを節目に、企業ブランドが想い描くビジョンを窓際のステージ上に打ち出してみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
内外装ともに精度が高く、アパレルショップの旗艦店としても十分期待に応え得る好物件だ。用途地域的にオフィスとしての利用はできないが、ショールーム等の使い方であればご相談はできるとのこと。ぜひお早めにご検討頂ければと思う。