EDIT
青山の森に抱かれたような一画に、築40年超のこの物件はある。気持ち良いほど左右対称の外観。2006年に大規模なリニューアルを工事の末、現在の姿になった。緑豊かな立地を活かし、生活者の視点に立ってリニューアルされたこの物件は、翌年グッドデザイン賞を受賞している。いわばお墨付きのリノベーション物件である。
茶道具や仏教美術等の日本古美術を扱う根津美術館を擁する南青山。同じエリアに骨董通りと呼ばれる場所があるのは果たして偶然なのか。落ち着いた雰囲気と一言では言い表せない独特の空気は、この地に根付くアカデミックでアートなそれらが醸し出すのだろうか。
フローリングで温かみのある部屋から臨むは青山の四季。
景色を切り取る窓が愛らしい。黒いサッシが景色に変化を与える。新築物件ならきっと一枚ガラスで大きな景色を見ることもできたのかもしれないが、この場所のこの建物だからこそグッとくるのだろう。すぐに体に馴染むこのゆったり感は、体内に毒素を溜めずに働くイメージ。そんな風に働けたら、気持ちに余裕ができて思いやりの溢れた社風が育まれ、新しいコミュニケーションが生まれるかもしれない。
EDITOR’S EYE
年数を重ねるほどに、新しい価値を認められる場所と建物。
新しいアイデアは積み重ねた経験をつなぎ合わせることからしか生まれないと聞いたことがある。故きが根付くこの場所で、新しい働き方を試そう。